1. はじめに:「常に録画」という言葉の持つイメージと実態
「常に録画」という言葉から、ドライブレコーダーが一切の隙間なく、目にしたもの全てを記録し続けている完璧な「監視者」であるかのようなイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このイメージは、現実のドライブレコーダーの挙動とは少し異なります。
ドライブレコーダーは、確かに多くの場面であなたの安全運転をサポートするために録画を行いますが、その「いつ」「どのように」録画するかは、いくつかの重要な要素によって決まります。万が一の事故やトラブルの際に、「映っているはずなのに!」とならないためにも、ドライブレコーダーの録画の仕組みを正しく理解しておくことは非常に大切です。
1.1 なんとなく「ずっと録画してる」と思っていませんか?
多くの方がドライブレコーダーに「ずっと録画している」という漠然とした期待を抱いているのは自然なことです。しかし、実はドライブレコーダーが録画を開始・停止するタイミングや、どのような状況で映像を記録するかは、主に**「電源がどのように供給されているか」と「どのような「録画モード」が設定されているか」**の二つの要素によって制御されています。
この仕組みを理解せずに使用していると、期待していた映像が記録されていなかったり、必要な場面が上書きされてしまったりするリスクが高まります。
1.2 結論:条件を満たせば「常に近い状態」での録画は可能
先に結論を申し上げると、ドライブレコーダーは特定の「条件」(特に電源供給)を満たし、適切な「設定」(録画モードの選択)を行っていれば、「常に近い状態」での録画は可能です。しかし、これは文字通りの24時間365日、車体の状態に関わらず全ての瞬間を記録するという意味ではありません。どのような条件が必要になるのか、これから詳しく見ていきましょう。
1.3 この記事でわかること
この記事では、「ドライブレコーダーは常に録画しているのか?」という多くの方が持つ疑問に明確な答えを出すために、以下の点を詳しく解説します。
- ドライブレコーダーが録画を開始・停止する最も重要な条件。
- ドライブレコーダーが持つ主要な「録画モード」の種類と仕組み。
- エンジンを切った後も録画するための**「駐車監視モード」**の詳細と注意点。
- ドライブレコーダーが録画できなくなる主な状況。
- あなたのドライブレコーダーがいつ録画しているかを確認する方法。
この記事を最後までお読みいただければ、ドライブレコーダーの録画に関する疑問が解消され、より安心してドライブレコーダーを活用できるようになるでしょう。
2. 結論から言うと:「常に」ではありません。条件付きです
改めて、ドライブレコーダーは「常に録画しているのか?」という疑問に対する答えです。
いいえ、厳密には「常に」ではありません。録画には条件があります。
最大の条件は「電源が入っているか」
ドライブレコーダーが録画を行うための最大の条件は、**「本体に電源が供給されているか」**です。電気製品であるドライブレコーダーは、電源が入っていなければ当然ながら機能しません。そして、この電源供給の状況は、主に車のエンジンの状態や、ドライブレコーダーがどのように配線されているかによって決まります。
一般的なドライブレコーダーは、車のアクセサリーソケット(シガーソケット)や、ACC電源(アクセサリー電源:エンジンキーをACCに入れると電気が流れる電源)に接続されています。この場合、車のエンジンがかかっている間(またはACCオンの間)は電源が供給され、エンジンを切ると電源供給が停止します。したがって、このタイプの接続方法であれば、エンジンを切った後は基本的に録画も停止します。
どのような「録画モード」が設定されているか
もう一つの重要な条件は、ドライブレコーダー本体にどのような「録画モード」が設定されているかです。多くのドライブレコーダーは、状況に応じて録画方法を切り替える複数のモードを持っています。これらのモードの組み合わせや設定によって、「いつ」「どのような条件で」録画が行われるかが決まります。「常に録画」という言葉でイメージされる連続録画も、一つの「モード」に過ぎないのです。
次に、これらの主要な録画モードについて詳しく見ていきましょう。
3. ドライブレコーダーの主要な「録画モード」を理解する
ドライブレコーダーが持つ代表的な録画モードを理解することが、「常に録画しているのか?」という疑問を解き明かす鍵となります。
3.1 モード1:常時録画(エンジンONに連動して開始)
最も一般的で、多くのドライブレコーダーに標準搭載されているモードです。
仕組み:ループ録画で古い映像を上書き
ドライブレコーダーが外部から電源供給を受けている間、記録容量がいっぱいになるまで連続して録画を行います。SDカードの容量がいっぱいになると、自動的に最も古いデータから削除し、新しい映像を記録し続ける「ループ録画(循環録画とも呼ばれます)」という仕組みで動作します。これにより、SDカードが満杯になって録画が停止してしまうことを防いでいます。
電源:車のシガーソケットやACC電源など
多くの場合、車のエンジンキーがアクセサリーオン(ACCオン)またはエンジンオンの状態に連動して電源が供給されるシガーソケットやACC電源から給電されます。
いつ録画されるか:
車のエンジンがかかっている間、またはACCがオンになっている間、電源が途切れるまで連続して録画されます。これが、多くの人がイメージする「常時録画」の状態です。
3.2 モード2:イベント録画(衝撃や急操作を検知)
走行中に事故や強い衝撃を受けた際など、重要な瞬間を自動的に記録するためのモードです。
仕組み:Gセンサーなどがトリガーとなり、自動で専用ファイル保存
ドライブレコーダーに搭載されているGセンサー(加速度センサー)が、設定された衝撃レベル以上の振動や衝撃を感知すると、その前後数秒~数十秒間の映像を、通常の上書きされない「イベントファイル」「保護ファイル」としてSDカード内の専用フォルダに自動的に保存します。急ブレーキ、急ハンドルなど、機種によってはGセンサー以外の挙動も検知してイベント録画を行うものもあります。
常時録画と同時に機能することが多い
イベント録画は、通常、常時録画を行っている最中に発生したイベントに対して機能します。つまり、常時録画がベースとしてあり、それに加えて衝撃があればイベント録画も行われる、というイメージです。
いつ録画されるか:
常時録画中、または駐車監視モード中に、設定されたトリガー(衝撃など)を検知した際に作動し、その前後の映像を保存します。
3.3 モード3:手動録画(ドライバーがボタン操作)
ドライバーが必要だと判断した任意のタイミングで、映像を証拠として残すためのモードです。
仕組み:任意のタイミングで専用ファイル保存
ドライブレコーダー本体に搭載されている「録画ボタン」や「イベントボタン」などをドライバーが手動で押すと、その前後数秒~数十秒間の映像が、イベント録画と同様に上書きされない保護ファイルとして保存されます。
証拠として残したい場面で任意に記録
危険な運転をする車を目撃した、警察官から職務質問を受けたなど、後で映像を見返したい、あるいは証拠として提出する可能性があると思った際に活用します。
いつ録画されるか:
ドライバーが本体のボタンを押した際に作動し、その前後の映像を保存します。これも通常、常時録画や駐車監視モードと並行して使用されます。
3.4 モード4:駐車監視モード(エンジンOFF時に機能)
車のエンジンを切って駐車している間に、車に何かあった場合に録画するためのモードです。
仕組み:衝撃検知、動体検知、タイムラプスなど
エンジン停止後も、ドライブレコーダーに常に電源が供給されている状態であれば、駐車中の異常を検知して録画を開始します。主な検知方式は以下の通りです。
- 衝撃検知: 駐車中に車に物理的な衝撃(当て逃げなど)があった場合に録画を開始します。
- 動体検知: カメラの視野内で人や車などの動きを検知した場合に録画を開始します。
- タイムラプス: 数秒に1コマなど、非常に低いフレームレートで連続して録画し、長時間録画を可能にします。(異常があった時点はイベント録画に切り替わる機種が多い)
電源:常時電源供給が必要(バッテリー直結など)
このモードを使用するには、車のエンジンを切っても電源供給が続くように、車のバッテリーやACC電源に直接配線する、または専用の外部バッテリーを使用する必要があります。一般的なシガーソケットからの給電では、エンジンを切ると電源が断たれるため、このモードは機能しません。
いつ録画されるか:
エンジン停止後、設定した時間やバッテリー電圧が下がるまでなど、電源が供給されている間、かつモードが有効になっている場合に、設定されたトリガー(衝撃や動きなど)を検知した際に作動し、録画を行います。機種によっては、トリガーに関係なくタイムラプスで「常に」記録し続けるものもあります。
4. 「常に録画」が意味するもの:常時録画モードの仕組み
ドライブレコーダーの「常に録画しているのか?」という疑問で多くの人がイメージするのは、この「常時録画モード」のことでしょう。その基本的な仕組みを改めて確認します。
エンジンON=録画ONが基本
シガーソケットやACC電源に接続された一般的なドライブレコーダーは、車のエンジンをかける(あるいはACCオンにする)と連動して電源が入り、自動的に録画を開始します。そして、エンジンを切る(ACCオフにする)と、電源が切れて録画も停止します。これが、最も基本的なドライブレコーダーの動作です。つまり、車の走行中、またはキーがACCの状態の間だけ、「常に録画している」ということになります。
SDカード容量問題とループ録画
ここで「常に録画していたら、SDカードの容量がすぐにいっぱいになってしまうのでは?」という疑問が湧くかと思います。その問題を解決するのが、前述の「ループ録画(循環録画)」機能です。
ドライブレコーダーは、例えば「1分」「3分」といった短い単位で録画ファイルを生成します。SDカードの記録容量がいっぱいになると、ドライブレコーダーは最も古い録画ファイルから自動的に削除し、新しい録画ファイルを書き込むためのスペースを確保します。この動作を繰り返すことで、理論上はSDカードがいっぱいになることなく、録画を継続することが可能になります。
ただし、イベント録画や手動録画で保護されたファイルは、このループ録画の対象から外されることがほとんどです。そのため、保護ファイルが増えすぎると、常時録画に使える容量が減り、結果的に最も古い常時録画ファイルが早く上書きされてしまう、という側面もあります。
エンジンOFFで常時録画はどうなる?
エンジンを切ると、シガーソケットやACC電源からの電力供給が止まります。これにより、常時録画モードでの録画は停止します。バッテリー内蔵の一部の機種では、電源が切れてから数秒~数十秒間、衝撃感知用の待機状態を維持したり、シャットダウン前に直前の映像を保存したりする機能を持つものもありますが、基本的にエンジンOFF=常時録画OFFとなります。
エンジンOFF後の「常に録画」を実現するためには、後述する「駐車監視モード」と、それを稼働させるための専用の電源が必要になります。
5. エンジンを切った後も「常に録画」できる?駐車監視モードの解説
車の利用中だけでなく、駐車中の当て逃げやいたずらの瞬間も記録したい、というニーズに応えるのが「駐車監視モード」です。このモードを使えば、エンジンのON/OFFに関わらず「常に近い状態」で車周辺を監視・記録することが可能になります。
エンジンOFF時の録画には専用の電源確保が必要
前述の通り、一般的なシガーソケット接続ではエンジンOFFで電源が断たれます。駐車監視モードを有効にするためには、エンジンが停止している間もドライブレコーダーに継続して電源を供給する必要があります。主な方法としては以下の2つがあります。
- 車両バッテリーからの直接配線: 車のバッテリーやヒューズボックスから、エンジンOFF後も電気が供給されるACC電源や常時電源に直接配線する方法です。専門知識や工具が必要になるため、カー用品店や専門業者に依頼するのが一般的です。バッテリー上がりを防ぐための電圧監視機能付きの配線コードを使用することが推奨されます。
- ドライブレコーダー専用の外部バッテリー: ドライブレコーダーとは別に、駐車監視専用のポータブルバッテリーを用意し、そこから給電する方法です。配線工事が不要で比較的容易ですが、バッテリー自体の充電が必要です。
これらの方法で電源を確保し、ドライブレコーダー本体の設定で駐車監視モードをONにすることで、エンジンOFF後も車を監視できるようになります。
駐車監視の代表的な検知方式(衝撃、動体、タイムラプス)
駐車監視モードが「常に」録画し続けるかどうかは、その検知方式によって異なります。
- 衝撃検知: 駐車中に車に物理的な衝撃(当て逃げなど)があった瞬間を捉える方式です。通常は、衝撃を感知するまでは待機状態にあり、消費電力を抑えます。衝撃があった前後の短い時間だけ録画を行います。「常に」録画するわけではなく、「何かあったら録画する」方式です。
- 動体検知: カメラの視野内で動きを検知した場合に録画を開始する方式です。こちらも動きを検知するまでは待機状態です。人や車が通りかかった瞬間を捉えたい場合に有効ですが、風で揺れる木や雨粒などにも反応してしまう場合があります。こちらも「何かあったら録画する」方式です。
- タイムラプス: 数秒に1コマなど、非常に低いフレームレートで映像を記録し続ける方式です。この方式であれば、エンジンOFF後も設定された時間やバッテリーが許す限り、「常に」記録を続けると言えます。異常があった場合は通常のフレームレートでのイベント録画に切り替わる機種が多いです。長時間の監視記録が可能ですが、SDカード容量は他の方式より消費します。
機種によって搭載されている検知方式や設定できる内容は異なります。あなたのドライブレコーダーがどのような駐車監視機能を持っているか、取扱説明書で確認しましょう。
バッテリー上がりや配線に関する注意点
駐車監視モードは、エンジンOFF後も電源を使用するため、バッテリー上がりを引き起こす可能性があります。特に車のバッテリーから直接配線する場合は、車両バッテリーの電圧が設定値を下回ると自動的に給電を停止する「バッテリー上がり防止機能」付きの電源コードを必ず使用してください。また、配線ミスは車の電装系トラブルに繋がる可能性があるため、専門知識がない場合はDIYせずプロに依頼しましょう。外部バッテリーを使用する場合は、そのバッテリーの充電状態に注意が必要です。
駐車監視モードの有効時間や設定
多くのドライブレコーダーでは、駐車監視モードの有効時間を「〇時間」と設定したり、車両バッテリー電圧が〇V以下になったら自動停止する、といった設定が可能です。これらの設定によって、駐車監視が「いつまで」「どのような条件で」行われるかが決まります。「常に」と言っても、これらの設定やバッテリー容量に依存することを理解しておきましょう。
6. ドライブレコーダーが録画しない(できない)主な状況
「ドライブレコーダーは常に録画しているはずなのに、肝心な時に録画されていなかった!」という事態は避けたいものです。ドライブレコーダーが正常に録画できない主な状況を把握しておきましょう。
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エンジンが切れている(駐車監視なし) 最も基本的な理由です。一般的なシガーソケット接続の場合、エンジンを切れば電源が断たれるため録画は停止します。駐車中の映像が必要な場合は、駐車監視モードの設定と専用の電源が必要です。
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SDカードの容量がいっぱい、またはエラー ループ録画が正常に機能しない場合や、保護ファイルが増えすぎて常時録画領域が圧迫された場合、SDカードの容量がいっぱいになり、新しい映像が記録できなくなります。また、SDカードの劣化や破損により、書き込みエラーが発生し、録画が停止することもあります。ドライブレコーダーによっては、SDカードエラーを知らせる警告が表示されますが、見落とすこともあります。
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SDカードが挿入されていない 当たり前ですが、SDカードがドライブレコーダー本体に挿入されていなければ録画はできません。点検やデータ確認のために抜き差しした後、挿し忘れてしまうケースがあります。
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本体の故障や不具合 ドライブレコーダー本体の故障(内部部品の破損、熱による劣化など)により、正常に録画が開始されない、録画が途中で停止する、といった不具合が発生することがあります。
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電源供給の不安定や断絶 シガーソケットの接触不良、配線の問題、ヒューズ切れなどにより、ドライブレコーダーへの電源供給が不安定になったり、途絶えたりすると、録画が停止します。
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設定が正しくない 録画モードがOFFになっている、駐車監視モードが有効になっていない、衝撃検知レベルが適切でない、といった設定ミスにより、意図した通りに録画ができていない場合があります。
これらの状況を避け、ドライブレコーダーが常に(設定通りに)録画できるように、定期的な点検と確認が不可欠です。
6.1 ドライブレコーダーは「いつ」録画しているか?確認方法
あなたのドライブレコーダーが、どのような状況で録画を開始し、停止するのかを正しく理解することが、安心に繋がります。以下の方法で確認してみましょう。
取扱説明書を確認するのが最も確実
お使いのドライブレコーダーの正確な仕様や録画モード、設定方法、各ランプの意味などは、取扱説明書に全て記載されています。これが最も信頼できる情報源です。「常時録画」「イベント録画」「駐車監視」「ループ録画」といったキーワードで該当箇所を探し、仕組みや設定内容をしっかりと確認しましょう。
本体のLEDランプや画面表示で確認する
多くのドライブレコーダー本体には、現在の動作状況を示すLEDランプや画面表示があります。「録画中」「待機中」「エラー」などの状態が表示されることが多いです。エンジンをかけた時、切った時、駐車監視を有効にした時などに、これらの表示がどのように変化するか確認し、正常に動作しているか判断する手がかりにしましょう。
設定メニューを確認する
本体のボタン操作やスマートフォンの連携アプリなどで、ドライブレコーダーの設定メニューを開き、どのような録画モードがONになっているか、駐車監視の設定(有効/無効、検知方式、タイマーなど)がどうなっているかを確認しましょう。意図しない設定になっている可能性もあります。
7. 「常に」ではないからこそ知っておきたい!ドラレコ運用の注意点
ドライブレコーダーは「常に」録画しているわけではない、ということを理解した上で、日々の運用で注意しておきたい点があります。
7.1 SDカードは消耗品!定期的な点検と交換を
前述の通り、ドライブレコーダーでの使用はSDカードに高い負荷をかけます。SDカードは消耗品であり、寿命があります。書き込みエラーが増えたり、認識しなくなったりする前に、定期的に(推奨は1年〜2年ごと、メーカー推奨に従いましょう)新しいものに交換しましょう。高品質でドライブレコーダーでの使用が推奨されているSDカードを選ぶことも重要です。
7.2 SDカードは本体で定期的にフォーマットする
SDカードのファイルシステムを健全に保ち、書き込みエラーを防ぐために、定期的なフォーマットが有効です。フォーマットは必ずドライブレコーダー本体のメニューから行ってください。 パソコンでのフォーマットは、ドライブレコーダーとの相性を悪化させる可能性があります。
7.3 駐車監視を設定している場合は電源と設定を再確認
駐車監視モードは適切に設定・配線されていないと機能しません。バッテリー上がり防止機能が正しく機能しているか、設定した時間や電圧で停止するか、録画したい検知方式(衝撃、動体など)が有効になっているかなど、定期的に確認しましょう。特に夏場など高温になる時期は、本体やバッテリーへの負荷が高まります。
7.4 録画範囲(画角)は適切か?
録画モードが正しく設定されていても、ドライブレコーダー本体の向きがずれていたり、フロントガラスの汚れやワイパーの拭き残しが邪魔になったりすると、肝心な部分が録画範囲から外れてしまうことがあります。定期的に取り付け位置や角度を確認し、ガラスを綺麗に保ちましょう。
8. まとめ:録画モードと電源を理解すれば「常に」の疑問は解決!万が一に備えよう
ドライブレコーダーは「常に録画しているのか?」という問いに対する最も正確な答えは、「いいえ、電源が供給されており、かつ、その時の状況に応じた録画モードが有効になっていれば録画します」です。
- 車の走行中(エンジンON時) は、多くの場合「常時録画モード」により継続的に録画されます(SDカード容量がいっぱいになると古い映像は上書きされます)。
- 車の駐車中(エンジンOFF時) は、**「駐車監視モード」**が設定されており、かつ専用の電源供給が行われている場合にのみ録画されます。録画されるタイミングは、衝撃検知や動体検知などの設定によります(タイムラプス設定の場合は「常に」近い状態での記録となります)。
- 事故や急操作時には、**「イベント録画モード」**により、その前後の映像が保護ファイルとして保存されます。
- ドライバーの任意で**「手動録画モード」**による記録も可能です。
あなたのドライブレコーダーが、どのような録画モードを持ち、どのように設定されているか、そしてどのように電源が供給されているかを正しく理解することが、ドライブレコーダーを「万が一の証拠」として最大限に活用するための第一歩です。
取扱説明書をよく読み、本体の表示を確認し、設定メニューをチェックして、あなたのドライブレコーダーが「いつ」録画しているのかをしっかり把握しておきましょう。そして、SDカードの定期的なメンテナンスも忘れずに行い、いつでも頼りになる「走る目撃者」として、あなたの安全運転をサポートしてもらいましょう。